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「Crunchyroll Expo2019」イベントレポート

SPECIAL. 06
現地時間の2019年8月30日~9月1日にアメリカ・カリフォルニア州・サンノゼで行われたCrunchyroll Expo2019。
約5万人の現地アニメファンが集うイベントに、今回『モブサイコ100』から立川譲監督・亀田祥倫(キャラクターデザイン)・伊藤節生(影山茂夫役)が招待された。
『モブサイコ100』のメンバーは、3日間行われたこのイベントで個人のパネルも合わせて合計5つのパネルと2回のサイン会を実施。彼らを一目見ようと、アメリカ全土から『モブサイコ100』ファンがサンノゼのコンベンションセンターに集まった!!!!!!!!!

1日目は、「Crunchyroll Game Panel」に3人そろって参加。
7月に中国でリリースされ、大人気を博している「Mob Psycho 100 : Psychic Battle」。アメリカでの発売を記念しゲスト3人のゲームにまつわるプライベートな質問が飛び交った。
立川監督は最近最もゲームで使ったお金は家族とのUFOキャッチャーだと答え会場を和ませるが、音ゲーがすきなことで知られる伊藤さんが一番多いときにゲームで年間20万以上使っていたという話に会場のファンから驚愕の声が上がった。そんなゲームファンの伊藤さんも期待を寄せる「Mob Psycho 100 : Psychic Battle」のPVが流れると配信を待ちわびる期待の歓声が沸いた。
2日目は、伊藤節生さんの個人のパネルが開催され約600人のキャパの会場は立ち見が出るほどのモブファンで埋め尽くされた。
登場するや否や、伊藤節生さんが英語でスピーチ!!!「Hello everyone!!!」の一言で大歓声が響いた。また7月7日に開催された「サイコヘルメット教の集い・スペシャルイベント2019夏」で販売された「神を探しています」のプレートライトを観客に見せながら「神を探しています!!」と英語で伝えると会場は笑いで包まれた。
霊幻役の櫻井孝宏さんにまつわるエピソードを聞かれると、伊藤さんは櫻井さんの声マネをしながら霊幻の必殺技「ソルトスプラーッシュッ!」の「シュッ!!!!」が大好きだと語った。伊藤さんのモノマネをマネながら通訳さんが翻訳すると、会場は爆笑の嵐となった。また櫻井さんとの印象深い思い出について聞かれると、日本での上映会の打上で櫻井さんや他スタッフといっしょにみんなでレモンサワーを飲んだと裏話も披露してくれた。
トーク終盤、サプライズコンテンツとして伊藤さんの生アフレコがスタート!!伊藤さんが12話の芹沢とのシリアスなバトルシーンを再現すると、割れんばかりの拍手が起こった。
3時間後に控えた、OVAのプレミア上映を控えた観客に見どころとして、いつも以上に貶められる霊幻に是非注目してほしいと語った!!ファンの期待が笑いと共に大きく膨らんだ。
OVAのプレミア上映が行われるメインのパネル会場は約1600人以上が収容できる、このイベントで最も大きな場所で行われた。『モブサイコ100』のコスプレに身を包んだファンも集まり、早々に満席状態に。広い会場を熱気が包んでいた。
伊藤さん、亀田さん、立川監督が登壇すると、1600人以上のファンの拍手と歓声が轟くように会場全体に響きわたった。
今回のOVAは原作者のONE先生がストーリーの原案を書くことになったきっかけを聞かれ、立川監督が「はじめは原作にある小さなエピソードをいくつかつなげるつもりだったが、会議でもっと霊幻が紛糾するストーリーを描きたいという話になり、ONE先生自らの提案で新しいストーリーを書いてくれることになった」と話した。
新キャラの若女将について聞かれると亀田さんは「若女将はキャストとして井上喜久子さんが決まっていて、はじめに井上さんの似顔絵を描いていたら目元が松本零士先生の絵に似ているなと思って…さらにこの作品は(蒸気機関車ではないが)電車が出てくるお話なのでメーテルをイメージして頭を長くした」と制作秘話も語ってくれた。
監督がすかさず「頭が長すぎてフレームから切れちゃうんですよね。第1期のときはテルくんで同じ問題があったんですよ」というと会場から笑いが起こった。
伊藤さんへの質問として2期からOVA収録までのブランクを聞かれると「約6か月くらいですね!!でも実はその間もラジオドラマだったりモブを演じるのは久しぶりではなかったので演じる難しさはなかったです。チームとしてもいつもの空気感、やりやすい状態で演じられました」と語った。
今回の舞台でもある“温泉”にまつわる面白思い出はありますか?と聞かれると、立川監督は「マッドハウス時代、お正月に那須の温泉に家族で行ったんですよね。温泉に入っていたら、湯気の向こうからマッドハウスの社長が出てきて、正月気分が台無しになった」と珍エピソードを披露した。「食事に行こうと誘われたけど、断った」と言うと会場は爆笑の渦となった。
霊とか相談所の社員旅行も兼ねたストーリーに合わせて、何か社員旅行など行かれたことはありますか?と質問され「ちょうどモブサイコ2期の作業をしているときにボンズの社員旅行があって、日光にモブスタッフみんなで行ったんですよ。でも監督は忙しくていなかったですね!!」と亀田さんが語ると、立川監督は「so busy」と語った。伊藤さんは「声優は会社に属した社員ではないので、社員旅行という概念がそもそもないが、先日ゲーム仲間で企画していた旅行が舞台の稽古と重なって行けなかった…so busy me too!!」とファンの笑いを誘った。
さらに亀田さんが「あと、今回のOVAのモデルになっている旅館が実際にあるんです!!群馬の長寿館という場所で、是非聖地巡礼で行ってみて下さい!!」と語ると会場から大きな歓声が沸いた。
OVAの見どころについて、監督は、「霊幻の追い詰められた表情・動きを期待してほしい」と話し、亀田さんは「今回はキャラクターデザインのみの参加で、メインキャラの服装や新キャラのデザインをさせてもらったので注目してもらいたいのと、本編はアニメーターたちが生き生き動かしてくれているのでそこも是非見てほしい」、伊藤さんは「モブたちのいつもと違う空気感の違いも楽しみにしていてほしい」と語った。

OVAの上映直前、司会者が「MOB!!MOB!!」と掛け声を誘導すると1600人以上のファンとキャストが一斉に「MOB!!MOB!!MOB!!」と連呼。会場がさらに温まったところでいよいよアメリカファン待望の完全新作OVA『モブサイコ100 第一回霊とか相談所慰安旅行~ココロ満たす癒やしの旅~』が上映された。

本編がはじまると、モブ・霊幻・エクボ・律・テルなどメインキャラの登場では毎回歓声が上がり、キャラの登場のなかでも髪型の変わった芹沢の登場シーンではさらに大きな歓声が。
終始笑いの声が途切れることはなかった。
本編終了後、再び3人がステージに登場し、退場を惜しまれるファンと集合写真を撮影した。ファンにとっても『モブサイコ100』メンバーにとっても忘れられない1日となった。
3日目は、早朝から立川譲監督のソロパネルが行われた。
冒頭、サンノゼの印象を聞かれると「入国時に税関で2時間足止めされた。見た目が怪しいとのことだったけど、スタッフの息子さんが『モブサイコ100』のファンということで写真を撮って税関をクリアした!Thank you モブサイコ!!」と語ると会場からは爆笑と拍手が沸いた。
監督の仕事について聞かれると「スタッフの魅力を引き出すのが仕事」と語り、『モブサイコ100』にまつわる思い出について質問されると、スタッフが魅力的で自分が想定しているよりいい上がりが見れることが印象深いと話した。原作を何回読んでいるかと司会者から聞かれると、んーと考えたあと「100回は読んでいる!!」と答えると、司会者から「『モブサイコ100』ですもんね!!」と返されてファンから笑い声が漏れた。
制作現場の話を聞かれると、亀田さんのデスクについて語った。「亀田さんが作業していると思ってデスクを除くと、超能力のテレビをみていて紙を浮かせようとしていた!!こういったことが本当に好きなスタッフが集まっているんだぁと実感した」と語った。最も好きなシーンは7話の記者会見の下りで、ファンからの質問で7話でこだわったポイントは?と質問を受けると「原作にはないシーンで、モブから「いい奴だと言われた」言われた後の霊幻の表情をどうしてもアニメでは描きたくてONE先生に相談して入れさせてもらった」と裏話を披露した。
立川監督のこれまでのキャリアや新作の話にも触れ、ファン大満足のパネルとなった。
最後は、キャラクターデザイン亀田祥倫さんのソロパネル。
亀田さんが『モブサイコ100』に関わった経緯について聞かれると、「スペース☆ダンディの仕事に関わって、その仕事ぶりを見てもらってボンズ社長の南さんに声をかけられた」と話した。
『モブサイコ100』をつくる過程で工夫したことは?という質問に対して、「原作のイメージはモノクロだったけど個人的にはカラフルなシャツがすきなので、どんどん色を付けていくことからはじめた」と語り「超能力が使うシーンで出現するオーラを特別な演出にできないかと思いTVアニメのビックリマンからインスピレーションを得た」と語った。亀田さんのキャリアのなかでもたいせつな作品の動画を披露して過去作品についての想いも語った。
ライブドローイングのコーナーになると、亀田さんがイラストを描く横に応援として立川監督と伊藤節生さんが登壇。
立川監督が亀田さんの絵ですきなところを聞かれると「Power!!!!!!」と確信をもって一言。会場から笑いが起こり、司会者から具体的にPowerとは?と質問され「アニメーターによっては自分の感情とは違うイラストを描けるひとがいるけど、亀田さんは違うタイプだと思う。彼は絵を描くときに絵に感情を込めるところが好きだ。キャラクターの感情にのめり込めるところが魅力的だ!!」と語った。『モブサイコ100』がはじまるときは、スタートから正解の絵が亀田さんは描けていてこれは大丈夫だと思ったと、当時を振り返った。
伊藤さんは亀田さんのイラストでどこが好きか聞かれると「『モブサイコ100』の原作は角ばっていることが多い印象に対して、亀田さんの絵は丸くみえる。それがアニメーションだとかわいい感じもするし親しみやすい印象を受けて好きです」と話した。
また初めて『モブサイコ100』のキャラクターが動いている動画を見た時の印象としては、「原作を読んでいてもアニメーションになったときにどうなるのかと思っていたのですが、PVで亀田さんの絵が動いているところをみたときにキャラクターに命が宿ることを改めて、実感した」と伊藤さんが話すと会場からは同感する歓喜の声が上がった。
亀田さんのイラストが出来上がり、最後にハンコを押すと歓喜の声と拍手が会場を包んだ。
こうして、3日間にわたるファンのココロ満たす旅は無事に幕を閉じた。